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透析患者必見 | 水素ガスで酸化ストレスを和らげる方法

目次

はじめに

透析治療は、腎機能が低下した患者にとって生命維持に不可欠な医療手段です。しかし、透析中に発生する酸化ストレスが、体内で炎症を引き起こし、さまざまな合併症のリスクを高めることが知られています。本記事では、酸化ストレスのメカニズムを説明した上で、水素ガス吸入療法がどのように酸化ストレスを軽減し、透析患者の健康を改善するのかを解説します。

透析治療と酸化ストレス

透析治療は、慢性腎不全などの腎機能不全患者に不可欠な生命維持手段です。腎臓は本来、血液から老廃物や余分な水分を取り除く役割を果たしますが、腎機能が著しく低下した場合、人工的にそれを代替する必要があります。主に血液透析(Hemodialysis, HD)と腹膜透析(Peritoneal Dialysis, PD)の2つの方法がありますが、いずれも体内の環境に大きな影響を与えます。

血液透析のメカニズムと影響

血液透析は、体外に血液を取り出し、透析装置を用いて血液を浄化する方法です。患者の血液は透析膜(半透膜)を通過し、老廃物や過剰な水分が透析液に移動して除去されます。この過程で、電解質のバランスが調整され、体液の正常化が図られます。しかし、透析膜を通過する際に血液が異物に接触することで、体内で活性酸素種(Reactive Oxygen Species: ROS)が過剰に生成されることが知られています。

酸化ストレスのメカニズム

酸化ストレスは、活性酸素種が過剰に生成され、抗酸化システムがその制御に失敗したときに発生します。通常、体内にはスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの抗酸化酵素が存在し、活性酸素を除去する役割を果たします。しかし、透析治療中に発生するROSの量は非常に多く、これらの防御機構では対応しきれないことが多いのです。

活性酸素種がもたらす影響

活性酸素種の一部であるヒドロキシルラジカル(·OH)は特に強力な酸化剤であり、細胞膜の脂質、タンパク質、DNAに損傷を与えます。この損傷は、細胞死(アポトーシス)や遺伝子変異を引き起こし、動脈硬化、心血管疾患、慢性炎症、さらにはがんのリスクを高める要因となります。透析患者はすでに腎不全などの深刻な健康問題を抱えているため、酸化ストレスがこれらの二次的な健康リスクをさらに悪化させる可能性があります。

酸化ストレスと透析患者の健康

透析患者において酸化ストレスが慢性的に続くと、血管内皮機能の低下や免疫力の弱体化を招きます。これは、心血管疾患や感染症への脆弱性を増加させ、患者の予後に大きく影響を与えます。実際、透析患者の主な死因は心血管疾患であり、酸化ストレスがその発症に重要な役割を果たしていることが多くの研究で示されています。さらに、酸化ストレスは糖尿病の悪化や骨粗鬆症の進行など、他の併存疾患の進展を加速させる要因にもなります。

酸化ストレスを軽減する取り組み

透析患者における酸化ストレスの管理は、透析治療そのものの改善と抗酸化療法の両面から取り組まれています。例えば、ビタミンCやEなどの抗酸化サプリメントの使用が検討されていますが、効果は限定的であると報告されています。透析液の組成や透析膜の改良も行われていますが、これだけでは十分ではありません。そこで、酸化ストレスを効果的に軽減する新たな手段として注目されているのが、水素ガス吸入療法です。水素は選択的に有害な活性酸素種を消去し、細胞の酸化還元バランスを維持する作用を持つため、透析治療の一環として有望視されています。

水素ガスの抗酸化メカニズム

分子状水素(H₂)は、選択的にヒドロキシルラジカル(·OH)やペルオキシナイトライト(ONOO⁻)などの強力な酸化剤と反応し、これらを無害化する特性を持ちます。水素分子は小さく、細胞膜を容易に通過し、体内の組織や細胞に迅速に拡散します。この特性により、深部組織にも到達し、効果的に活性酸素を除去することが可能です。また、水素は他の抗酸化物質と異なり、細胞内の酸化還元バランスを乱すことなく、特定の有害な酸化種のみをターゲットにします。これにより、正常な細胞機能を維持しながら、酸化ストレスを軽減することができます。

水素ガス吸入療法の効果

透析患者における水素ガス吸入療法の有効性は、複数の研究で報告されています。例えば、ある研究では、透析患者が水素ガスを吸入することで、酸化ストレス指標であるd-ROMs値が有意に低下し、炎症マーカーであるC反応性タンパク質(CRP)も減少しました。さらに、水素ガス吸入を中止した後も、これらの効果が持続することが確認されています。これらの結果は、水素ガス吸入が透析治療中に生じる酸化ストレスを軽減し、長期的な合併症リスクを低減する可能性を示唆しています。

実際の治療法と導入の利点

水素ガス吸入療法は、透析開始の5~10分前から吸入を開始し、透析終了後も5~10分間継続するという簡便な方法で行われます。水素ガス発生装置は低価格かつポータブルで、小規模な透析施設や在宅透析でも導入可能です。これにより、患者の生活の質が向上し、酸化ストレスに関連する病態の進行を抑えることが期待されます。また、水素ガス吸入は非侵襲的であり、患者への負担が少ない点も大きな利点です。

安全性と臨床応用の可能性

水素ガスは自然界に存在する無毒で安全な物質です。これまでの研究では、高濃度の水素ガス吸入による副作用は報告されておらず、安全に使用できることが確認されています。また、透析以外の病態においても、水素ガスは抗炎症作用、抗アポトーシス作用を発揮し、多くの臨床試験で有効性が示されています。これらの特性から、水素ガス吸入療法は透析患者のみならず、さまざまな疾患の治療や予防に応用できる可能性があります。

まとめ

酸化ストレスは透析患者にとって重大な問題ですが、水素ガス吸入療法はその軽減に大きな可能性を秘めています。安全で手軽に行えるこの治療法は、今後さらに多くの患者に恩恵をもたらすと期待されます。酸化ストレスの抑制と健康改善を目指す透析患者にとって、水素ガス吸入は有望な選択肢となり得るでしょう。

参考文献

  • 「水素ガス吸入法による透析患者の酸化ストレスおよびCRPの低減」(寒川昌平ほか、2021)
  • 「水素の臨床応用」(鈴木昌、2023)
  • 「活性酸素種と水素療法」(渡辺正仁ほか、2020)
  • 「水素医学総説」(太田成男、2015)
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